「会った日は楽しかったはずなのに、帰り道になぜか落ち込んでいる」
「悪口を言われたわけでもないのに、毎回もやもやだけが残ってしまう」そんな経験はありませんか。
価値観が合わないわけでも、態度が冷たいわけでもない。
それでも一緒にいると少しずつ削られていく相手は、もしかすると「フレネミー」なのかもしれません。
この記事では、フレネミーの見分け方と自分を守るための距離の取り方について紹介します。
目次
フレネミーとは?

さまざまな人間関係の話題で、最近多く目にする「フレネミー」という言葉。
日常ではあまり使わない表現ですが、実際にどのような意味でどう使われているのでしょうか。
まずは言葉の意味について紹介します。
フレネミーの意味と語源
フレネミー(frenemy)は、英語のフレンド(friend/友達)とエネミー(enemy/敵)をかけ合わせた造語です。
表向きは仲のいい友達としてふるまいながら、心のなかでは強い嫉妬や敵対心を抱えている相手のことを指します。
もともとは海外ドラマをきっかけに広まった言葉で、日本では職場やママ友の関係を語る場面でよく使われてきました。
フレネミーが生まれやすい理由
フレネミーは、どんな場所でも同じように生まれるわけではありません。
生まれやすい環境には、いくつかの共通点があります。
ひとつは、簡単には離れられない関係であることです。
職場や学校・ママ友・趣味のコミュニティなど、合わないと感じても顔を合わせ続けなければならない場所では、嫉妬をため込んだまま笑顔でいるしかなくなってしまいます。
もうひとつは、比べる材料がそろっていることです。
評価や立場・持ち物や交友関係など、優劣がはっきり見える環境ほど、相手を落として自分の位置を守ろうとする気持ちが働きやすくなります。
そこにSNSが加わると、相手の様子が24時間流れ込んでくるようになってしまいます。
見たくないタイミングでも近況が目に入り、比較してしまう。
この「離れられない」「比べてしまう」「見えてしまう」の3つがそろったとき、友達のふりをした敵が生まれやすくなるのです。
フレネミーにありがちな言動とは
フレネミーは、はっきりした悪口や攻撃をぶつけてくるわけではありません。
だからこそ「私が気にしすぎなのかな」と流してしまいがちなものでもあります。
ここでは、フレネミーがやりがちな言動について見ていきましょう。
褒めながらさりげなく下げてくる
「毎回行けててすごいね、余裕があっていいなあ」
「その席で満足できるの、うらやましい」
一見褒め言葉に聞こえるものの、投げかけられると胸のあたりがザワッとする。
フレネミーの言葉には、こうした二重構造がよく現れます。
本人は悪気なく言っているので、指摘しようとしても「そんなつもりじゃないよ」「誤解しないで」で終わってしまうことも多く、「そんなものなのかな」と受け取ってしまいがちです。
言葉そのものより、聞いたあとの自分の気分に目を向けましょう。
プラスの報告をしたときだけ反応が変わる
チケットに落選したときや、思ったような成果が得られなかったときは、驚くほど親身に話を聞いてくれる。
ところが、当選報告や成果につながった話になったとたん、返信が短くなったり既読のまま止まったり…
フレネミーは、相手が自分より下にいるあいだは優しくいられる人です。
うれしい報告のときにだけ空気が変わるなら、その温度差は覚えておいていい違和感でしょう。
約束を都合よく変える
遊びにいく約束をしていたのに、直前になって「別な人との予定が入ったから」とキャンセルされる。
譲ってもらえるはずだったグッズが、いつのまにか別の人に渡っている。
一度ならうっかりしていたのかもしれません。
ただ、変更のしわ寄せがいつも自分にだけ来ているなら話は別です。
「ごめんね」と言いながら、こちらが折れる前提で話が進んでいないか、少し立ち止まって振り返ってみましょう。
相手だけに話したことがまわりに広まっている
「二人だけの話」として打ち明けた悩みや失敗談。
それが別の人から「聞いたよ」と返ってきたとき、なんともいえない気持ちになりますよね。
情報を握り、それをどこに流すかで自分の立ち位置を作るのは、フレネミーの典型的な行動パターンです。
また「あの子資格取れなかったからコネでしか就職できないらしい」「別な友達と遊んでるからもう誘わなくていいかも」など、1つ話したことに事実ではない言動を織り交ぜて拡散することも少なくありません。
悪気なく話しただけの可能性もありますが、同じことが繰り返されているなら、渡す情報を選ぶ段階に入っています。
もしかしてフレネミーかも?と思ったときの見分け方
とはいえ、もやっとする相手がすべてフレネミーというわけではありません。
たまたま虫の居所が悪かっただけ、価値観がずれていただけ、ということも少なくないでしょう。
決めつけてしまう前に、次の4つの角度から確かめてみてください。
自分がフレネミーに狙われやすい人になっていないか
まず知っておいてほしいのは、狙われやすさは欠点ではないということです。
むしろ、優しさや生活の充実ぶりが裏返しになっているだけです。
- 頼まれると断りきれない
- 譲る側になることが多い
- さまざまなつながりを持っている
- 相談を受けやすく、気づけば聞き役になっている
- 違和感を「考えすぎかな」で流してしまう
当てはまる項目が多かった方も、自分を責める必要はまったくありません。
持っているものが多い人ほど、それをうらやむ相手が近づいてくるというだけの話です。
会ったあとに元気か、削られているか
いちばん確かな判断材料は、相手の言葉ではなく、会ったあとの自分のコンディションです。
楽しかった日は、次に会うのが待ち遠しくなりますよね。
反対に、帰宅してから理由もわからず落ち込む、次の誘いが来るのが怖いという日が続くなら要注意です。
言葉や表情は取り繕えても、精神の消耗は嘘をつきません。
一度きりか、同じパターンが繰り返されるか
一回の出来事だけで判断してしまうのは、お互いにとってもったいないこと。
体調が悪かった日もあれば、うっかり口が滑ってしまう日もあります。
チェックしたいのは、同じような出来事が何度も起きているかどうかです。
約束が変わるタイミングや話が漏れる経路、また態度が冷える話題など、ここに規則性が見えたなら、偶然ではない可能性が高いと言えるでしょう。
話の着地がいつも相手に有利になっていないか
やりとりが終わったあと、得をしているのはどちらでしょうか。
ひとつずつは些細でも、結果だけを並べてみると相手が得をするように傾いていることがあります。
その場では相手が正しく聞こえるのに、あとから振り返ると納得できない。
そんな感覚が続くなら、言葉ではなく結果のほうを信じて判断しましょう。
フレネミーだと気づいたときの守り方
「あの人、フレネミーなのかも」と感じても、相手を問い詰めたり白黒つけたりする必要はありません。
これからも同じ界隈にいるのであれば、静かに離れるほうが結果的に自分を守れます。
渡す情報の量を減らす
フレネミーとの関係は、こちらが情報を渡すほど相手が動きやすくなります。
まず控えたいのは、旅行先や仕事・友人との約束などのプライベートな話題です。
「まだ決めてない」「今はとくに考えてない」など、ぼかせる言い方はいくらでもあります。
相手が把握する情報が減れば、比べる材料も自然と減っていきます。
関係を壊さずにできる、いちばん最初の一手です。
1対1のやりとりから複数人の場に移す
DMや二人きりの時間は、フレネミーがもっとも動きやすい場所です。
一対一だと、言った言わないの水かけ論になりやすく、こちらの逃げ場もなくなってしまいます。
合う約束があるときは友達も呼ぶ、相談ごとはグループのほうで返すなど、第三者の目があるだけでも、極端なふるまいは落ち着いていくものです。
界隈が狭いときのフェードアウトの進め方
毎日顔を合わせる・共通の友達がいる・合う約束をしているなどの場合、今すぐ縁を切りにくいのが正直なところです。
そんなときは、次の順番で少しずつ距離を作ってみてください。
- 残っている貸し借りや精算は優先して終わらせる
- 返信の速度をゆっくりにして、すぐに返さない日を作る
- 遊ぶ誘いを「今回はひとりで行くね」「今回はパスで」と断る
- SNSはブロックではなくミュートやリスト化で見えないようにする
- ばったり会ったときは、あいさつだけして長く話さない
いきなり消えると、かえって波風が立ってしまいます。
数週間かけてゆるやかに温度を下げるほうが、お互いに角が立ちません。
晒しや報復には走らない
されたことを思い返すと、誰かに知ってほしくなる気持ちはよくわかります。
それでも、SNSで名指ししたり、匂わせる投稿をしたりするのはおすすめできません。
意外と世間は狭く、書いたことは必ず本人まで届きます。
こじれてしまうと、現場に行くこと自体がしんどくなってしまいがちです。
また晒し行為や報復は、相手に反撃を与える口実にもなってしまいます。
どうしても吐き出したいときは、全く関係のない友達に聞いてもらったり、SNSの鍵アカに置いておいたりしましょう。
消耗した気持ちを取り戻すためにすべきこととは
人間関係で消耗すると、いつもの生活まで色あせて見えることがあります。
最後に、自分のペースを取り戻すための考え方を紹介します。
起きたことと自分の価値を切り分ける
フレネミーとの関係が長く続いたあとほど、「私の何がいけなかったんだろう」と原因を自分の中に探してしまいがちです。
しかし、相手が嫉妬をどう扱うかは相手の問題であって、あなたの人柄や能力が引き起こしたことではありません。
優しく応じてきたことも、必要な情報を共有してきたことも、本来なら信頼として返ってくるはずだったものです。
うまくいかなかったのは関係のほうで、あなたの価値が下がったわけではない。
まずはそこを、はっきり分けて考えましょう。
ひとりで過ごす時間を意識的に作る
誰かに気を遣わなくていい時間は、想像以上に回復につながります。
好きなものを好きなだけ食べて、行きたい場所にひとりで出かけて、誰にも報告しないまま一日を終える。
そんな日を数回過ごすだけで、自分がどれだけ相手に合わせていたかが見えてくることもあります。
新しい人間関係を作り直すのは、そのあとでかまいません。
まずは、自分の感覚が戻ってくるまで待ってあげましょう。
自分がフレネミー側になりそうなときは
嫉妬という感情そのものは、誰の中にも自然に生まれるものです。
相手をうらやんだり、比べて落ち込んだりすること自体は、責められることではありません。
気をつけたいのは、嫉妬の気持ちを相手にぶつけてしまうかどうかの一線だけです。
自分の状態が整っていないときは、無理に誰かと関わろうとしない。
それがお互いを守ることにつながります。
まとめ:自分を守れるのは自分だけ
一緒にいると疲れてしまう相手から離れるのは、わがままでも冷たさでもありません。
長く楽しい生活を続けるために必要な、まっとうな選択です。
違和感を覚えた時点で、あなたの感覚はきちんと働いています。
「気のせいかも」と打ち消してきたぶん、これからは自分の心地よさを基準にしていいはずです。
その時間を守るために、少しだけ距離を選び直してみてください。